月別アーカイブ: 11月 2011

腰痛について

   よくクライアント様から、「腰痛なんだけど、腹筋をすればいいの?」と聞かれます。確かに背筋群とのバランスも含めて、腹筋運動をすると腰椎が安定し、腰痛の予防、緩和になることもありますが、腰痛の症状や種類はたくさんあり、腹筋だけが、唯一の対処法ではありません。むしろ腹筋をしてはいけない場合もあります。また、腹直筋を鍛えるための、スピードに乗った激しいシットアップは、かえって腰を痛めるだけです。今回は色々な腰痛の種類と、その対処、ケアについて書いてみたいと思います。初めに明記させていただきますが、私共スポーツトレーナーは、医療に携わる職業ではございません。したがって、腰痛に対する医療行為はいっさい行いませんし、言及するものでもありません。しかしながら、腰痛予防、緩和、リハビリ、ケアに関しては運動を通じてご指導させていただきます。ご了承ください。    代表的な腰痛症を明記します。 急性筋肉性腰痛症   筋肉や筋膜が損傷を受け、激しい痛みを伴う。いわゆる「ぎっくり腰」はこの代表格。安静にし、痛みがなくなった時期にリハビリを開始します。損傷箇所尾が腰背筋なので、リハビリは、背筋群がメインになります。もちろん損傷箇所の柔軟性も確保。この腰痛症の注意点は、まだ痛みが残っている時期に無理をして動かし、何度も再発をくりかえす、慢性腰痛症に移行してしまうことです。医師の診断を仰ぎ、しっかり安静の時期を確保してください。 変形性腰椎症   老化などにより、背骨が変性して起きる腰痛。年齢を重ねると(残念ながら・・・)、骨や椎間板(背骨と背骨の間にある弾性組織)の形が変わってきます。それが、神経を圧迫し、痛みが生じる腰痛です。医師の診断を仰ぎ、ケアをしていきます。整骨院などで、マッサージや温熱パック、電気治療を行うケースが多数です。痛みが和らいだ後は、リハビリに入ります。症状や損傷箇所にもよりますが、腰背部、及び全身の緩やかなストレッチが有効と言われています。  椎間関節症   これも加齢に起因する症状で、椎骨どうしの上下のかみ合わせが悪くなったり、接合部が磨耗し、傷んでくる症状。身体を反った時に痛みを感じることが多く、また痛む箇所が左右どちらかに偏っているのが特徴。変形性腰椎症と同じく、リハビリは緩やかなストレッチから始めます。 腰椎不安定症   椎間板がすり減ったり、椎骨どうしをつなぐ筋肉や靭帯に緩みが生じて、腰椎のつながりにグラつきが生じた状態。これも変形性腰椎症の神経圧迫痛のひとつです。症状が進行していれば、コルセット等の着用を医師に薦められるでしょう。リハビリは、腹筋エクササイズがメインになるでしょう。強化すべき筋肉は(損傷箇所にもよりますが)、腹横筋、大腰筋、小腰筋、内腹斜筋、外腹斜筋などです。エクササイズの種類や方法は、理学療法士、フィジカルトレーナー、アスレチックトレーナー、パーソナルトレーナー等の指示に従ってください。 脊椎すべり症   背骨の一部(椎骨)が、前方もしくは後方にズレることにより、神経が圧迫され、痛みやしびれが生じます。中高年の女性に多く見られます。この症状にも腹筋エクササイズが有効です。また、トレーナーによっては、殿筋群や腰背部のストレッチも併用するプログラムを指示することもあります。 脊椎分離すべり症     背骨の一部(椎骨)が、骨折(分離)することにより、ズレ(すべり)が生じ、脊椎が不安定になる状態。加齢による骨の弱体化や骨格が成長しきっていない子供によく見られる。またハードな運動のしすぎが原因のケースもある。子供の場合、骨折部が結合する可能性があるので、完治が可能といわれています。前方すべりの場合は、反り腰の姿勢になると痛みが増強するため、腰椎の屈曲エクササイズが有効。勢いのつけた腹筋運動ではなく、可動範囲を制限し、ゆっくりとしたリズムで行うとよい。詳細は、トレーナーの指示に従ってください。 椎間板ヘルニア   椎間板にある「髄核」と呼ばれるゼリー状の部分が、外にはみ出します。それが神経を圧迫し、進行すると腰部から足にかけての痺れ、いわゆる坐骨神経痛が現れます。髄核がはみ出す原因として、若年層では無理な姿勢での運動、スポーツでのオーバーユース(消耗)、中高年では老化による椎間板の変性、重労働(荷物などの運搬作業による)、肥満等が考えられます。医師の診断のもと、症状や場合によっては、外科手術を行います。安静を保ち、コルセットの着用の指示もあるでしょう。最近では、症状が軽ければ、自然治癒する場合も報告されているようです。痛みの緩和には、股関節(屈曲筋群)の緩やかなストレッチ、腰背部の緩やかなストレッチが有効。リハビリの内容は、理学療法士やパーソナルトレーナーの指示に従って行う。場合によっては、腹筋エクササイズが禁忌(やってはいけない)になるので注意。「腰痛=腹筋をすればよい」という概念は、この場合間違いです。捻転動作(腰を捻る)もNG. 脊柱管狭窄症   背骨には神経が通る管(脊柱管)がありますが、その管が狭くなり神経や血管を圧迫し、痛みが出る症状です。狭くなる要因として、加齢による椎骨の変性、すべり症による椎間狭窄、椎間板ヘルニアによる合併狭窄、外傷による狭窄等がある。また、先天的に狭い人もいます。身体を前屈みにすると楽になるという特徴が多く見られます。痛みを緩和するには、安静、薬物療法、コルセットの着用等が医師からの処方であるでしょう。二次災害として、考えられるのが、慢性筋肉性腰痛症です。前屈みの姿勢が癖になると、背筋群が疲弊し、腰椎のバランスも崩れていきます。したがって、腰背部、上背部のマッサージや、ストレッチ、筋力強化は必須となってきます。腹横筋、腹斜筋の強化は、医師の診断や本人の動作痛みの有無確認をよく行ったうえで、始めます。 骨粗鬆症   加齢により椎骨がもろくなり、体重過多や肥満などが重なると、圧迫骨折の原因にもなります。また、骨代謝の崩れにより、変形性腰椎症、椎間関節症、慢性筋肉性腰痛症などを合併させます。予防アドバイスとして、カルシウム、ビタミンDの摂取、普段から適度に日光に当たり、生活習慣をよくすること。また肥満防止のため、食事にも留意することなどが挙げられる。腰椎周りの筋力強化やストレッチも有効。 以上、代表的な腰痛の症状とケアを記しましたが、ご自身の腰痛がどの部類に属するのかは、医師の診断に従ってください。またケアやリハビリは、理学療法士やパーソナルトレーナーのプログラムにまかせて行ってください。 次回は各症状に対しての代表的なケア(筋トレ&ストレッチ)をご案内します。

カテゴリー: 未分類 | コメントをどうぞ